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一次・二次創作を扱っています。現在ネギま!×Fate「夢破れし英雄」連載中。

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ALL―7 リクエスト


ガンダールヴはこうして余生を過ごす 原案

「凛の士郎探索記(ハルケギニア編)」

 小高い丘の上。見渡す限りの草原と、どこか中世ヨーロッパを思わせる家並みに、遠坂凛はため息をつく。
「また失敗、かぁ。今度は何をミスったのかしらね」
 第二魔法。
 具体的に言えば、並行世界の運営。
 その最大級の神秘を受け継いだ、新米魔法使いである所の遠坂凛は、一人の男を探し求め壮大な旅をしていた。
 と、言うのも勘違いに勘違いを重ね、歴史に名を残すほどの激戦を繰り広げた後に、男がとんでもない方法で逃げてしまった事に原因があった。
 あの時、宝石剣どうしの共鳴反応が与えた乱数は、ゼルレッチ本人でさえ計算するのが難しいものだった。
 ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの協力の元、半年の時間を以って、乱数をある程度幅を狭めた事で、凛は準備を整えて世界を跳んだ、のだが……。
 凛にとっての計算違いは、せいぜい数種類程度の世界軸だと思っていた乱数範囲が、いざ跳んでみると中々に広大であった事だ。
 加えて、並行世界の移動には出発点と到着点に膨大な魔力溜まりが必要になる。
 出発点に関しては、それ程強大な霊地でなくとも宝石剣の運用によってカバーする事は可能だ。もちろん、それには凛の負担、具体的に言うと宝石の出費が馬鹿にならない事になるので、極力霊地を探す必要はあったが。
 だがそれらの問題点は、所詮お金と時間をかければクリアできる、些細なものでしかない。
 本当に問題なのは、時間だった。
 人間は、老いる。
 それは、魔法使いになったところで変わらない。
 広大な乱数範囲を探し出すには、時間が足りないかもしれない。
 相手の時間は、この際あまり考える必要はないのは有り難いことだった。
 衛宮士郎というのは、人類最高の防衛宝具、“全て遠き理想郷”を所持している。
 不老かつ不死。かつてのアーサー王までとはいかないまでも、その回復力、かつ衛宮士郎の戦闘能力を考えれば、そうそう死ぬことなど有り得ない。
 だが、探す側の凛の目的は、
「こんなんじゃ…お婆ちゃんになって子供なんか産めなくなるわよ。ホント、どうしたものかしらね」
 遠坂。今や完全に魔法使いの家系になった遠坂の当主である凛は、その血その技術を残すのが最優先になる。
 その為には、“つがい”が必要なワケで、要するに優秀な魔術師の血が必要だ。
 そこで、凛は士郎をその相手に選んだ。
 魔術師として初代であり、魔術回路の本数も大した事はない。
 だが、だからこそ魔術の極みまで上り詰めた魔術回路には計り知れない価値がある。
 宝石剣を投影し、更に第三魔法をその身に宿す衛宮士郎の血が遠坂に加わる事は、客観的に見てもそうおかしい事ではない。
 ただ、『結婚相手探しに第二魔法を使っている』という事実が、世の魔術師にとって泣けてくるぐらい虚しいだけで。
「このままだと、一度出直す必要が出てくるわね。あと一年が目処、ってトコかしら」
 独り言は、寂しく空に溶けた。
 探し人がこの世界に居ないという事は、パスに反応がない事から理解できる。
 少しでも長く探索する為には、宝石をセーブ、もしくは現地調達しながら事を進めるしかない。
 それに、いくら時間がないとは言え、折角の第二魔法、それも世界軸が大きくかけ離れた世界なのだから、少しくらいは見ていかなければ勿体ないというものだ。
 何しろ、ここに来るのだって小規模国家予算クラスの資金を使っているわけだからして。
「見物なら一番大きくて賑わっている所が定石、かしらね。お金もどうにかしないと野宿でサバイバルになっちゃうし」
 そんなものはどちかと言うと士郎やランサーに向いている。
 凛としては、そんな現代人の尊厳もない生活なんてまっぴらゴメンだ。
 まあ、宝石を安く買い叩かれるのも困るのだけど。
「とりあえずはあの塔で話を聞いてみるか。話が通じる人たちならいいんだけどね」
 世界軸の移動には、言語の壁がある。
 厳密には、言語の壁が存在する可能性がある、だが。
 全く異なった文化を育んできた世界なのだから、言葉くらい違うのは当たり前。
 これが統一言語を操れる者ならば、何の問題もなかったのだろうけれど。
 凛がこの一つ前の世界で会った人たちにはまるっきり会話が通じなかったので、今回は聖杯システムの流用で世界知識を少しは汲み上げてみたのだけれど、その知識量は微々たるものだ。
 流暢に会話できるレベルであるとは言えないし、この世界の文化なんてのは理解に遠い。
 だから、心配の種なんて尽きる事はないけれど、どうせ長居はしないのだし、と。
 割とあっさり、遠坂凛は、現地住人との第一次接触を果たした。
















 おそらくは塔の敷地内、何だかとんでもない幻想種がのんびり寝ていた脇を通りぬけて、庭のような所まで行って、ようやく凛は人影を発見する事ができた。
 黒髪の、今までこの世界で見かけた人たちとは違う、どちらかと言えば私たちの世界の服を着ている男の子。
「ねえ、君。ここ、どこか、分かる?」
 もっと流暢に喋りたいのだが、どうしてもこの程度の知識量ではこれが限界。
 ちゃんと通じるかどうか、少しドキドキしながら反応を待つ。
「え? あー、ここはトリステイン魔法学院……かな?」
「ここの、責任者? に、会える?」
「責任者かぁ。あ! 俺は知らないですけど、知ってそうな人なら知ってます。ちょっと待ってて下さい」
 あ、どうせなら一緒に連れて行ってくれるとありがたかったんだけど。
 まあ、愚痴を零しても仕方ない。まだ咄嗟に言葉が出る程こちらの言語を理解していないし。
 そして待つこと数分。
「は?」
 思わず、あんぐりと口を開けてしまった。
 だって、男の子が連れてきたのは……。
「サイト、で、その女性というのは――」
「チェストォ!」
「ぐほぅっ!?」
 士郎だったのだから。聖骸布の外套、黒塗りのボディーアーマー、髪を逆立ててこそいるものの、間違えようのない衛宮士郎の姿。
 思わず、衝動に任せて崩拳をお見舞いしてしまった。
「なぁあんんでっ! ふつーにアンタが出てくんのよ!?」
「え? え?」
 男の子が状況についていけないみたいだけど気にしない。というか、気にする余裕なんてない。
 襟元を掴んで力の限り振り回す。きっといいカンジに脳がシェイクされているだろう。
「ま、待て! 君は何か勘違いしていないか!?」
「し・て・る、わけないでしょうがっ! それとも何? アンタ衛宮士郎じゃないとでも言うの?」
「な、何故私の真名を――」
「それとも……衛宮くん? 貴方もしかして……私の事忘れたとか言わないわよね?」
「ん? そう言えばその呼び方には覚えがあるような……思い出さない方がいいような……」
 ぶちっ。
「思い出せっ! ガンドっ!」
「ぐわっ、そんな事したら忘れるのが当然だろう!」
「いいから喰らえ~!」
 ぱきゅんぱきゅん戦闘を始める私たちに、最初に出会った少年が一言だけ零した。
「これ、何事?」












「だから謝ってるじゃない。まさか並列存在だとは思わなかったのよ」
「君の聖杯戦争にも“アーチャー”は存在したのだろう? ならば自然と回答に行きついてもいいだろうに。それだから君は最後の最期でうっかりしてしまうんだ」
「ちょっと。そこまで言う事ないでしょ。私は、アンタが知っている遠坂凛とは違うかもしれないんだし」
「ハ。君が遠坂凛を名乗る以上、遠坂家の呪いを受け継いでいないわけがない。うっかりのない遠坂凛など、わさびの入っていない寿司のようなものだ」
「その例えはどうなのよ……まあ、たしかにあの呪いは受け継いでるけどさ」
 あれから。
 お互い息を切らしていた所、ようやく目の前の男が私の探し求める衛宮士郎とは、別の可能性である事を理解した。
 考えてみれば当然。パスが反応しなかったのだから、この男は少なくとも“私と契約した衛宮士郎”ではない、という事だ。
 だが、まあ、衛宮士郎には変わりない。
 私も、久しく知り合いとは合っていない身だし。話してみれば、だいたい聖杯戦争は似たようなものを経験しているようだし、第二魔法の実現例としてこうして会話するのも面白い。
「なあ、師匠。それで、その綺麗な人は誰? 師匠の彼女とか?」
「はは、馬鹿を言うなサイト。私にだって選ぶ権利ぐらいある」
 とても朗らかにそんな事をノタマウ衛宮士郎――いや、ここでは『アーチャー』か。
 でも、そんな事を言われると、カチンときた上に爆弾を投下したくなってくるというものだ。
「あら失礼ね。私は衛宮士郎の精を手に入れる為に第二を使っているというのに」
「ぶっ!?」
 アーチャーが、何も口に含んでいないのに吹き出した。まったく、いい気味よね。
「そ、そんな事に君は魔法を使っているのか……?」
「そうよ。悪い?」
「いや、悪いというか……世の魔術師たちが泣くぞ」
 まあ、それは私も常々考えていた事ではあるけれど。
「と、言うか。それは、君とパスが通っている衛宮士郎に限定されるのだろうな?」
「ん? ははぁん、貴方、もしかして自分も対象なんじゃないかってビビってる?」
「当然だろう。世界から逃げてさえ君に追いかけられる衛宮士郎には、素直に憐憫の情を抱かずにはいられない」
 この皮肉。ああ、コイツはやっぱり、衛宮士郎ではなくアーチャーだ、と私は感じる。
 既に英霊として登録され、世界の奴隷になった衛宮士郎の成れの果て。
 まだ生きている衛宮士郎とは、積み重ねてきた時間が違うという事よね。
 まぁ、士郎が同じ時間を重ねた所で、このアーチャーになる、とは限らないけれど。
「あのー、ところでさ。俺のさっきの質問、答えもらってないんだけど」
「ああ、この女性は、私の師匠だった人だ」
「師匠の師匠?」
「魔術……ここで言うなら魔法のな」
「へ~。いいなぁ、俺と違ってこんな美人の師匠がいたなんて」
「はっはっは。サイト、ランニング30周追加してこい」
「嘘ですスイマセン、今の師匠は最高です!」
「つべこべ言わずに行って来い!」
「はいぃぃ!」
 何気に、ここのアーチャーも充実しているようね。
 それは、かつてこの男を使役した事もあって、少しだけ感慨深い。
「ねぇ、あの子何なの? 私、今普通に日本語で喋ってるんだけど」
「まあ、君や私と同じ第二の実現例という所だ。この世界における最高位の術者に召喚された使い魔さ」
「へぇ。サーヴァントみたいなものね」
「確かに、生身であるという点以外はそう変わらないかもしれん。違うのはマスターの方が基本的に強いという程度か」
「こちらの術者はそれほどの力を持つの?」
「虚無、という属性がある。伝説になっているものだがな。彼らが扱う術は、どれもキャスタークラス、かつ、魔法の領域に近しいものだ。まあ、この世界の定義で言えば、メイジが扱う殆どの術は魔法になってしまうんだが」
「この世界、確かに技術レベルは低そうだものね。魔術が表面化しているせいかしら?」
「そうだろうな。既に便利な技術体系があるのだから、支配階級はむしろ科学の進歩を妨げる立場にある」
「成程ね。中々面白い世界だわ」
 第二魔法で到達できた以上、根っこ、始まりの原点は同一なんだろうけど、それでもこれだけの違いがあり得ると思うと、中々興味深い。
「それで? いつここを発つ」
「そうね……私、まだ寿命は克服してないから、そんなに時間ないのよ。いくら私でも、目当ての士郎を見つけるまでどれだけ時間がかかるか分からないし……宝石の補充さえできれば、すぐにでも次の世界に行くわ」
「そうか……なら、宝石の方は私が工面しよう」
「え、いいの?」
「その代わり、等価交換だ。道中、いくつか訊きたい事がある」
「それはいいけど……道中って、ここにあるわけじゃないんだ」
「まあ、今も幾つかは所有しているが……どうせなら私が持っているものは全てくれてやろうかと思ってな。どうせ私には金銭目的以外には無用の長物だ」
 えらく気前がいいけど、等価交換を持ちかける以上、それなりに“訊きたい事”というのも大事なんでしょうね。
「分かったわ。その取引、受けましょう。断る理由もないしね」


 思えば、軽々しく引き受け過ぎたような気もするけど、結果的には使うのが惜しいぐらいの逸品が大量に手に入った事だし、あれぐらいの苦労は忘れても……と、無理やり忘れる事にして、私は彼に見送られるままにハルケギニアを旅立った。





 ◇





「では、凛。達者でな」
「ええ、貴方に心配されるまでもなく。……貴方も、幸せになりなさいよ」
「フン。君には敵わないな」
 去りゆく、消えゆく赤い背中に、俺は一言だけ声をかける。
「愛していたよ、遠坂」
 驚いて振り向いた彼女の顔を、幾度月が廻ろうと忘れてしまわないように。
 大切に、脳裏に仕舞い込んだ。











凛「…………ばか」
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