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一次・二次創作を扱っています。現在ネギま!×Fate「夢破れし英雄」連載中。

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夢破れし英雄  第17.5話


「喫茶『アルトリア』の新従業員」




 ある夜、何気ない会話の中で、ふと木乃香が告げた。
「今週は新しい仕事が大吉。仕事場で好きなあの人と会えるかも、やって」
「ふーん。でも、新しい仕事っていってもね。中学生雇ってくれるところなんてそんなにないし」
 シャーペンをくるくると回しながら明日菜が答える。
「そう言えばな、アスナ。この前のパーティーの時に聞いたんやけど、衛宮先生て高畑先生と仲ええんやって」
「へぇ。でも確かに、あの二人が一緒に居る所、見たことがあるような気がするわ」
 と、言いながらアスナはしばし考えた。
 衛宮先生の正体というのは、ネギと同じ向こう側の住人らしい、という事。
 で、ネギの友達であり、衛宮先生とも知り合いなら、つまり高畑先生も魔法使いという事?
 だとしたら。だとしたら、だ。『向こう側』に行けば、高畑先生の近くに行ける?
「そんでな、衛宮先生が零しとったんよ。土日の昼は、客が多くて一人で相手をするのも限界だ。そろそろ人を雇ってもいいのかもしれんな、て」
「つまり、このかは私にあの喫茶店で働いてみたらどうかって言いたいわけね」
「まあ、そーゆーことやな。でも、衛宮先生優しいし、結構いい仕事やと思うえ。アスナがやらんのやったら、ウチがやってもええかなーと思っとるんやけど」
「うーん、確かにいい話、なんだろうけど。今のバイト先にもお世話になってるしなぁ」
「仕事は土日だけやし、話だけでも聞きに行ったらええんやない?ネギ君の麻帆良見学のついでに行けばええんとちゃう?」
 まあ実際、衛宮先生本人はタイプではないけど、嫌いというわけでもないし。
 もしかしたら、あのお店で働いてれば高畑先生に会えるかもしれないし。
 いやいや、そもそも雇ってもらえるかどうかも分からないけど。
「それもそうね。行くだけ言ってみようかな」
 それぐらいは、試してみてもいいのかもしれない。











 で、ネギに麻帆良を案内する前に、喫茶「アルトリア」に突撃した。
「この前のパーティーの時も思ったんですけど、いいお店ですよね」
「そう言ってくれると嬉しいな。ところでネギ、最近ネカネに手紙は出しているか?私の方に寂しいから催促してくれと手紙が届いているんだが」
「えと、2週間ぐらい前に返しました。今、先生になれたって書いてるところです」
「ふむ、ならばいい。家族は大切にしろよ、ネギ。失ってからでは遅いからな」
「ハイ!」
 なんて、ネギと衛宮先生は共通の知人であるらしいネギのお姉さんについて話していた。私そっちのけで。
 というのも、私が話しかけるきっかけがなかったせい。
 会話を続けながらも調理の手を止めない衛宮先生に、最初こそネギもどう話しかけていいのか分からなかったみたいだけど、衛宮先生の方から話しかけてきてくれたお陰で今では会話も弾んでる。
 しかし、世界も狭いものよね。ネギのお姉さんと衛宮先生が知り合いだなんて。しかも手紙のやり取りまでしてるっていうけど、二人はどんな関係なんだろ?
「ところで神楽坂。今日はネギの付添いか?」
「あ、いえ。どちらかと言うと、私が衛宮先生に用があるんです」
「ほう?長い話になるか?」
「あ、いえ。このかから、このお店でバイトを雇うかもしれないって聞いたので、志願しに来たんですけど」
「つまり、面接希望という所か」
「はい、そうです」
 ふむ、と唸りながら思案顔。でも手は止めない辺り、本当に本職なんだなと実感する。
 私は衛宮先生の授業というものを受けた事はないんだけど、それでも先生をやっている時のイメージとは随分違う。
 スーツとエプロンの違いかもしれないけど。あれ?そう考えれば何でこの人エプロン似合ってるんだろ?
「あの、士郎さん。アスナさん、両親がいなくて朝の新聞配達のバイトで学費を稼いでるんです」
「ちょ、何を言い出すのよ!」
「だからどうか、アスナさんを雇ってあげて下さい、お願いします!」
「ネギ、他のお客さんもいる。話は分かったから少し静かにしてくれないか」
「あ、スイマセン」
 全く、何を言い出すんだか。別に、同情ひいてまでやりたいというわけじゃない。
 別に、今お金に困っているというわけでもないのよ。まあ、出来るだけ早く学園長にはお金を返したいけど。
「悪いが、これからの時間帯は相手をする事ができそうもない。夕方になったらまた来てくれないか」
「あ、はい。お邪魔しました」
「いや、こちらこそ済まないな」
 結局、忙しなく働く衛宮先生に悪いので、一旦ネギの学園案内の方を優先させる事にした。
 まあ、いきなり押しかけて雇って下さいっていうのも非常識だったから、仕方ない事よね。
 気分を切り替えて、私とネギは喫茶「アルトリア」を後にした。



















 士郎から電話が掛ってきたのは、10時前の事だった。
「つまり、アスナ君の方から、君の店で働きたいと言ってきたのか」
「そういう事だ。お前との約束もあるし、判断を仰ぎたくてな」
「いや、プライベートまで束縛するつもりはないよ。わざわざ連絡をくれた事には感謝するけど。店、忙しいんだろう?」
「まあな。では、彼女を雇う事に反対はしないという事だな?」
「士郎なら安心できるしね。正直、エヴァがそろそろ動きそうだし…君の庇護下にあった方が都合がいいかもしれない」
「エヴァンジェリンか。しかしタカミチ、現状の彼女の魔力ではまだネギに敵うまい」
「まあ、エヴァがポリシーを曲げない限りはそうだろうね。でも、エヴァも封印を解く為なら形振り構わないかもしれない。最近の吸血鬼事件は知っているだろう?」
「一応はな。学園長からも釘を刺された。あの人は余程ネギに試練を与えたいらしい」
「それだけ期待しているんだよ、ネギ君にね」
「やれやれ。では、俺は仕事に戻る」
「うん。そのうちそっちにも顔を出すよ」
 そうして電話は途切れた。
 しかし、彼も義理堅い。こんな細かな事にまで、注意を払ってくれるのだから。
 本当に。本当に、彼には大きすぎる借りがある。
 いつか、必ず返さなければ、と、携帯を握りしめて思った。





















 衛宮士郎が我が家を訪ねてきたのは、半ば深夜になってからの事だった。
 そろそろ巷でも桜通りの吸血鬼として噂になっているし、私はてっきりその話をしに来たのだと思い、交渉の為のカードを切る準備さえしていたというのに、
「言い難いんだが。私の店で使えるような、ウェイトレスの制服みたいなモノはないか?」
 …これはない、と思う。
 まさか、真祖の吸血鬼に頼む事が喫茶店の制服だとは。呆れて空いた口が塞がらない。
「貴様はアレだな?私をバカにしているんだな?」
「何を言う。ただ、茶々丸はエプロンドレスというか、給仕服のようなものを着ていることが多いから、そういう服があるんじゃないかと思って相談しにきただけだ」
「だ、か、ら!何で私が貴様の店の制服をくれてやれねばならん!冗談も程々にしろよ衛宮士郎。今はもっと重要な話があるだろうが」
「ほう。要するに君は、今この状態で戦って欲しいと言っているワケか?」
 衛宮士郎が、一瞬猛禽のような眼で私を射抜いた。
 やはりこの男、ただ者ではない。戦うにしても最低限、別荘の中でなければ私は嬲り殺されるだけだろう。
 確かに今の挑発は墓穴だった。奴が能動的に介入して来ないというのなら、それは私にとって最も歓迎すべき状況であるはずだ。
 ならば、その関係を崩すわけにはいかない。
 この計画には、私の15年と、これからの未来が懸っている。あらゆる憂慮は取り除かねばならないのだ。
「いや、私の失言だった。で、制服というのはメイド服の事を言っているのか?」
「いや、できればもう少しフリフリは少なめで。作業に適した動き易い服の方が有難いのだが」
「そもそも、給仕服というのは動き易いように出来ている。それで満足できんのならば、そもそも私に頼むような事柄ではないな」
「しかし、私の店で使えるような服となると、イメージに一番合うのが君だったのでね。そう言わず、見繕ってくれないか」
「チッ、これは貸しだぞ」
「ああ。そのうち返す」
 その内、か。ならば、本当にいつか返すのだろう。この男ほど義理堅い男ならば、その言葉を信じないわけにはいかない。
 むしろ、いつの日か返される“貸し”が、借りにならない程度である事を祈るばかりだ。
 全く、この男と対すると、調子が狂っていけない。
「オウ、エミヤジャネーカ。久シブリダナ」
「そう言うチャチャゼロは、今日は別荘じゃないんだな」
「アア、御主人ノ機嫌ガ悪クテナ。ポイット捨テラレタママナンダ。オ前別荘行クナラ連レテケヨ」
「悪いが、今日は別荘じゃないんだ。ちょっとした私用でな」
「メイド服が欲しいんだとさ、この男」
「ナンダ、テメェ変態ダッタノカヨ」
「私が着るのでもなければ、そもそもメイド服を欲しがっているわけでもない。私の店で使う為の制服をだな、」
「ほら、つべこべ抜かしてないでさっさと持って帰れ」
 メイド服、というには時代を感じるエプロンドレスだ。それなりに年期物だが、使えれば文句もないだろう。
「ん、すまんな」
 放り投げたそれを確りキャッチして、ヤツはそれを検分するように眺めた。
「よし、サイズも大丈夫そうだな。エヴァンジェリン、世話になった」
「フン、自覚しているのならば何か返せ」
「なら、偶には私の店に来て見てくれ。何か奢るぞ」
「気が向いたらな」
 そうか、と頷き、奴はそのまま帰って行った。
「ナア御主人」
「何だ、チャチャゼロ」
「アイツ、本当ニ倒センノカヨ?」
「お前はどう思う?」
「無理ダナ。少ナクトモ、今の御主人ジャアヨ」
「そうだな。ならば、戦わなければいい事だ」
 そう、戦わなければいい。だが、この鬱憤は、封印が解けた時必ず晴らしてやる。
 重く、心に誓った。





















 僕は、一応工学部の教授を務めているが、実際の所は電子精霊群に代表される科学技術への魔法技術による介入、一体化を研究している。
 その為には、一般レベルであっても科学、特に僕の分野だと情報工学を学ぶ必要があり、一応教授としての面目を保つ程度には学んできている。
 とは言え、あくまで専門は情報工学であり、機械系ではない。
 だから、最初士郎君からその相談を受けた時は、どうしようかと悩んだものだ。

「いらっしゃいませー」
 しばし、女の子の声で迎えられた事で驚いた。一瞬店を間違えてしまったかと考えたくらいだったけれど、いつもの難しい顔で出迎える店主の姿を見て納得した。
「どうしたんだい、士郎君。あの子は確か、ゆーなのクラスメイトだったと思うけど」
「ん、ただのバイトだよ。土日の昼限定のな。あの子が表で働いてくれるお陰で、私は厨房に専念できてる」
「でも、前にバイトを雇わないのかと聞いた時にはそんなつもりはないと言っていたじゃないか」
「考えは変わるものだ。それに、あの子は特別だよ」
「それは、今ここで話してもいい事かな?」
「いいや、よしておいた方がいい。学園でもトップシークレットだ。私自身、何も知らないからな。ただ、現状ネギと強い関わりを持つ明日菜を雇うのは悪くない選択だった」
 僕は、認識阻害の魔法を使いながら士郎君の話を聞く。これで、僕たちの会話は一般人からは他愛のない世間話に聞こえるハズだ。
 士郎君も、途中からそれが分かったようで深い所まで話してくれる。ニコニコと笑顔を忘れないまま、僕は続きを促した。
「桜通りの吸血鬼事件の事は?」
「ああ、あの、学園長から不干渉を命令されているやつだね」
「そう。学園長は楽観しているが、最悪の場合はネギの命に関わる。彼女の封印解除の阻止と、ネギの関係者の防衛には出来うる限り近くに居た方がやりやすい」
 士郎君が何も言わずにコーヒーを差し出す。カウンター席への接客は、変わらず彼が担当しているようだ。
「成程。それは君の独断?」
「いや、タカミチと相談して決めた。明日菜が来る。この話はここまでだ」
 僕は魔法を解除して、コーヒーを啜る。
 でも、どうして彼は魔法の存在を感知していたのに、彼女が近づいただけで会話を止めたのだろうか。
 確かにこの認識阻害の魔法はあまりに近づかれるか、会話に参加されると効果を発揮しないものだ。だが、そこまで性急に会話を切り上げる必要があるとは思えない。
 少しばかりその事が引っかかったものの、気にする程の事でもないかと追求はしなかった。
「士郎さん、モーニングセット2つ、アールグレイとコーヒーで追加ね!」
「了解した。先程のケーキセットとコーヒーは出来ているから持って行ってくれ」
「ん」
 テキパキと動いている女の子を見るのは気持ちがいい。
 ただ、あんなゴスロリ調の服、どこで手に入れてきたのかと疑問はあるけど。
「あ、僕もモーニングセットを頼むよ。元々ブランチにしようと思って来たんだ」
「ドリンクはそのコーヒーで良かったんだよな?」
「ああ、悪いね」
 モーニングセットはトーストとベーコンエッグ、サラダにドリンクと極めて一般的だ。
 この店のいい所は、量はともかく味にある。
 最初の頃こそただのログハウスだったという店内も、何度も手を加えられて欧風アンティークで固められ、十分な雰囲気が出ており、優雅な午後、日溜まりを楽しみには打ってつけだ。
「ああ、そうそう。この前紹介した彼とは上手くいったのかな?」
「ああ、助かったよ。お陰で随分と安く手に入った」
 そう、僕が彼から相談されたのは、大型二輪の廃車を手に入れるにはどうすればいいか、というものだった。
 そんなものをどうするのか、という疑問はあったが、彼から相談されるなんていう珍しい機会だ。何とか解決策を提示して上げたかったんだけど…結局、神多羅木君に相談する事になった。
 神多羅木君は車もバイクも持っていて、それなりにお金を使っているようだったから割と簡単にその話題を解決した。
 というのがもう2週間程前の話。
 特にバイクに詳しかった学生を一人、神多羅木君は紹介して、士郎君はその学生から廃車を買い取ったらしい。
 廃車を買い取ってどうするのか、答えは簡単で修理するのだそうだ。
 まあ、工房なんてものを裏の仕事としているぐらいだから、彼は手先が器用だし、その手の修理もお手の物なんだろうけど。
「そう言えば聞いてなかったけど、何でバイクが必要だったんだい?」
「これからは、京都に行く事が多くなるだろうからな。いつまでもバスやら新幹線では、旅の楽しみもないというものだろう?」
「でも、ここからバイクで行くとなると大変だろう?」
「まあ、好きでやる事だ。気にしないでくれ」
 それは、そうなんだろうけど。確かに、彼が気に入っている事にとやかく口を挟んだ所で意味がない。
 僕は、談笑しながら朝食兼昼食を食べ終え、その居心地の良さに後ろ髪を引かれながらも、仕事に戻った。







明日菜「あの、これが制服ですか…?」
士郎「そうだ。というか嫌なら自分で調達しろと言っておいただろう?」
明日菜「う、それはそうなんですけど」
士郎「それと、その堅苦しい敬語も禁止だ。自分の店でまで心が休まらないと苦しいからな」
明日菜「あ、それなら私も明日菜で。神楽坂って長いでしょ?」
士郎「切り替えが早くて結構。では、仕事の説明に入るぞ」


刹那「桜咲、も長いんじゃないかなーとか思うんですけど」
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