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一次・二次創作を扱っています。現在ネギま!×Fate「夢破れし英雄」連載中。

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夢破れし英雄  第25話


「京へ」


 地下の工房の中で、士郎は今回の仕事の為の装備を整えていた。
 既に、方々への根回しは終了している。
 学園長、詠春、刹那、アキラ、近衛、明日菜など。
 それぞれに、必要な事は言ってある。
 特に、学園長には今回世話になったと言えるだろう。
 生徒たちと同じ旅館の一室を提供してくれた上に、ネギ以外への魔法先生への口利きも引き受けてくれた。
 そして、一番ありがたかったのは聖骸布の返却だった。
 これはかねてより再三要求してきた事だが、今頃になって叶えられたのだ。
 前回の魔法世界における仕事も、多少なりとは影響しているのかもしれない。
 既に返却されていたボディアーマーは麻帆良で日常的に使えるものではないが、聖骸布ならば携帯という側面からも利便性が高い。
 この世界に概念の領域に迫る攻撃・呪いは少ないが、だからこそ聖骸布さえあれば防御は完璧となる。
 今までは必要な時は投影で誤魔化してきたが、それでは魔力がいくらあっても足りない。持続時間を考えれば実戦で使用するにはコストが高すぎたが、現物がこの手に返った今となっては要らぬ心配となるだろう。
 まあ、とは言え街中で着用できるようなものでもないから、今回の仕事に向いている装備だとは言えない。
 今まで通り、防御はこちらの世界で入手した護符で固めるしかないだろう。
 攻性の武装は、関西との摩擦から持ち込む事は出来ないから、持っていく装備は必然防御に関するものばかりだ。
 後は、通常の旅行者と大して変わらない。
 いや、通常の旅行者に扮する為に必要なもの、というものさえあった。
 それらを一まとめ、不備がないかを確認した後、自分の愛車に積み込んだ。
 愛車と言っても、伝説的な噂の絶えない麻帆大工学部のとある生徒から買い取った中古バイクだ。
 元々は自分で整備しようと思っていたのに、売ってもらったその品は合法ギリギリの改造で埋め尽くされていて、士郎が手を入れる隙間がないほどだった。
 ちなみに、士郎のこちらの世界での免許は違法取得が実情だ。
 戸籍も偽造なのだから仕方ないのだが、大型二輪免許を取得するのには苦労した。必要だから取得したのではなく、殆ど趣味なので負うべき苦労ではあるのだが。
 ともあれ、このやたら多機能なバイクは士郎のお気に入りとなった。
 仕事以外で麻帆良を離れない士郎にとっては、このバイクを駆る事がたまの楽しみにもなっている。
 が、バイクというのは荷物を積み込むには向かないものだ。
 元より物をあまり持たない士郎だからこそ今回の仕事にも使用できるが、使用するからこそ持って行ける装備が限られてしまった、という笑えない話もある。
 まあ、存在するかも分からない敵に対して過剰に防備を重ねる必要もない。
 必要ならば関西への助力を要請すればいいだけの事ではあるし。
 借りにしろ貸しにしろ、衛宮士郎が作るというのなら、それは価値があるのだから。
「さて、そろそろ出るとするかな」
 ライダースーツに着替え、士郎は修学旅行初日よりも一日早く、麻帆良より京都へ向かった。










 京都、関西呪術協会本山。
 その客間の一室にて、士郎と詠春は向かい合っていた。
「それで? 犯人に目処はついているのだろう?」
「ええ。確定とまでは言えませんが、盗難事件の直後、神鳴流を抜けた者がいます」
「神鳴流を? 内部犯だとは思っていたが、まさか彼らがそのような犯罪に手を染めるとは思わなかったな」
「私としても大変遺憾です。いっそ外部犯であってくれればとも思うのですが、本山の結界が破られれば気づかぬはずもありませんからね」
 士郎は、依頼主である刹那、護衛対象である木乃香よりも一日早く京都・本山に到着していた。
 本来、刹那からの依頼がなかったのならば、士郎はもっと早く京都へ赴いているはずだった。
 今回の事件……衛宮士郎作の刀が何者かに盗まれた件についての対応策について話し合う必要があったからだ。
 本来ならば、購入し、所有者となった関西が主となり捜査を進めるべき事柄なのだが、最初に交わされた契約が特殊だった。
 衛宮士郎は、作成した全ての武装についての所有権を完全に手放したわけではなく、“相応しくない”と判断した時本人の手によって破壊する事を許可されている。
 その為、その契約は売買というより貸し出し。違わぬ限り永遠に、という点でマトモな商業契約ではない。
 とは言え、盗難など、関西の……いや、詠春の管理下から離れてしまった場合の即刻破棄といった権利は関西も保有しており、今回の件については権利と責任が同居していた。
 今回の事は、たまたま刹那の依頼と重なった為の措置であり、本来ならば関西の意地として、関西で解決しなければならない問題と言える。
「ならば、ともかく容疑者の詳細を教えてくれないか。明日からは君の娘の護衛もある。積極的にこの事件に関わるつもりはないが、近衛を狙う一派が存在したとして、私の剣を所有しているのならば厄介だからな」
 そういう士郎を、詠春は欠片たりとも信じていなかった。
 関わるつもりがない事件の詳細を、何故そうも眼光鋭く問い質すのか。
 だが、そんな素振りは微塵も見せず、詠春は詳細を纏めた書類を手渡す。
「これが彼女の詳細……と言っても、かなり消されてしまった上にダミーも混じっているようです。正確なのは一枚目の内容だけだと思っていいでしょう」
「この少女は……」
「知っているのですか?」
「最初に本山を訪れた帰り、剣士に襲われたと言っただろう?」
「まさか、あの時の?」
「そうだ。人手不足とは言え、放置すべきではなかったな」
 あの事件も放置していたわけではないが、証言が他所者である衛宮士郎のみであり、被害者も彼のみ。そして士郎の証言も神鳴流の女という程度しか情報がなかった。
 詠春が命令という形を取ったものの、積極的な調査は行われていなかったのだ。
 神鳴流と関西呪術協会は親密な繋がりがある。
 半ば身内である存在を、他所者の為に疑うというのは、誰もがいい顔をしないだろう。
 寧ろ、関西の仲間割れを狙った罠だと考える方が自然かもしれない。
 真実の究明よりも、組織の均衡を優先した結果。ありふれたものだが、今回は確実に裏目となった。
「申し訳ない。君には、我々の不甲斐ないところばかり見られている」
「麻帆良も似たり寄ったりさ。完璧なぞ理想に過ぎんし、足並みを乱している最大要因は私だからな」
「その割に、その分のフォローは必要十分だと、私は思いますよ」
 何を以って十分と判断するかは人それぞれだが、確かに士郎の行動は個人で贖える範疇を超えている。
 何せ、個人戦力が組織間の均衡を崩すほどなのだから。
「それで。仕事の話は今ので終わりか?」
「ええ、そうなりますね。まあ、私としてはここからが本番ですが」
 仕事の話が終わった、という事は、ここからは仕事ではないという事だ。
 麻帆良の衛宮士郎と関西の長・近衛詠春ではなく、とある風変わりな喫茶店のマスターと、一人の娘の父親として。
「何故、今回の仕事……いや、話を受けた? 今君が京に来るという事が持つ意味、分からぬわけでもないだろう?」
「単純に刹那に対する恩義から、というのが正直な答えだな。勿論、私の刀が盗まれたというのも要因の一つではあるが」
「にしても、浅慮に過ぎる。これでは反関東の勢力が勢い付くだけだぞ」
 単独で関東の過半数戦力を圧倒したという衛宮士郎が関東を離れているというのは、関東に恨みを持つ者たちからしてみれば嬉しい状況だろう。
 だが、それは同時にそれだけの実力者に身内を晒すという事に他ならない。
 抑えるのに最高戦力を以って当たらねばならぬのだから、結局プラスとマイナスはゼロであるはず。
 しかし、どうせ討たねばならぬのならば、有利な本陣の方が奇襲も成功しやすいだろう、という判断もあった。
「それは、君の責任だろう? 近衛翁も嘆いていたぞ。下の者ぐらい纏めろ、とな」
「ぬぅ……確かに私の力不足という面は大きい。だが、君に関してはお義父さんも完璧に扱えているというわけではないだろう?」
「まあ、そうだろうな。あの爺は今の状況を楽しんでいるようにも見えるが」
 士郎は学園長の笑いを思い出したのか、苦虫を噛み潰したかのように嫌そうな顔をした。
「正直、私としては娘の護衛として君以上の人選は思い浮かばない。君なら信用も信頼もできるからな」
「ほう、そこまで評価してくれていたとは知らなかったよ」
「何と言うか……私自身不思議なんだが、君には長年共に歩んだ友のような気配を感じるんだ。理性では信用するべきでない、というのは分かっているんだがな」
「本人を前に言いたい放題だな」
 士郎の苦笑には親愛が隠れている。詠春のそれも、また。
「この程度の嫌味は許してくれ。今回の事で一番頭が痛いのは私なんだ」
「……近衛木乃香は、私の名と命に懸けて守護すると誓おう。“何”に敵対してでも、な」
 だから安心しろ、と。
 お前が立場に縛られて下せない判断でも、衛宮士郎には関係ないのだと。
 そう言って、話は終わりとばかりに、士郎は立ち上がった。
 その背に、詠春は関西呪術協会の長として問う。
「衛宮士郎。君に、一つだけ訊きたい事がある」
「何だ?」
「関西全てを敵に回して、君は勝てるのか?」
 一拍の間。詠春の問いは、麻帆良の最強戦力の底を尋ねるものでもあったし、彼の行動を制限するものでもあった。
 そして、士郎は振り返る事無く答える。
「勝てるかどうかが問題ではない。必要ならば、ただそれを為すだけだ」
 さも、当然のように。
 それが、衛宮士郎の生き方だった。
















「ええ、そうです。今の所嫌がらせ程度。深刻な脅威という程では……」
 刹那が誰かに連絡をしている。
 携帯を片手に窓の外を眺めているようでも、周囲の警戒は怠っていない。
「はい、分かっています。ええ、では、打ち合わせ通りに」
 一分にも満たない通話は、予定されていた定時連絡だ。
 カエルの異常発生、なんていう式神を使った悪戯を尻目に車両を移動した刹那は、一足先に京都へ赴いていた士郎への連絡を終え、気を緩ませることなく元の車両に戻るべく足を踏み出す。
 まさか関東の勢力圏内から行動を開始するとは思わなかったが、移動している車両内では出来る事など悪戯が精々だろう。
 その判断の下、こうして抜け出してきていたわけだが、遠くから聞こえてくる声にハッとなる。
「ま、待てーー!」
「親書かっ」
 近づいてくる声から距離を測り、視認。一刀の居合により、式神のみを斬り落とす。
 夕凪を大きすぎる竹刀袋に隠して、親書を拾った。
 封が解けてない事を確認していると、ネギが慌てた様子で駆け込んでくる。
 その様子に、隠れて溜息をつくと、刹那はネギに親書を返した。
「ネギ先生……大切なものならば、簡単に奪われないように気を付けて下さい。特に、向こうについてからは、ね」
 言いたい事を言ったら、その場を後にする。
 後で交わされる会話にも疑惑の視線にも、刹那が気づく事はなかった。







 だがしかし。目の前の人物を、完全に無視する事はできない。
「せっちゃん……?」
 そう、守るべき対象である木乃香に呼ばれただけで、刹那の心臓は跳ねた。
「どうしたん? こんな所で。皆探しとったんよ」
「それは、申し訳ありません。すぐに戻ります」
 失礼、と。目線も合わせる事無く、刹那は木乃香の脇を通り過ぎる。
 それは、刹那にとっては仕方のない行為だった。だが、木乃香にとってはただ悲しいだけの所為。
 木乃香は、半ばこの反応を予測していた。けれども、それでも感情は素直に発露する。
 唇を噛み、溢れる悲しみに耐えようとして、しかしこれではいけないとでも言うように握り拳を作った。
 そして。
「せっちゃん!」
 去りゆく刹那の背中を張りのある声で呼び止めて、尚も素早くこの場を去ろうとしている友人に言った。
「ウチ、士郎さんのコト好きや」
 決して大きい声ではなかった。刹那以外の耳には入らなかっただろう。
 なのに、その言葉で刹那は止まった。
「――――え?」
 驚いて……そう、100%驚きの感情のみを表情に貼り付けて、刹那は振り返る。
 ほほ笑む木乃香を視界に入れて、凍り付いたように硬直する。
 けれども刹那は気づかなかった。
 木乃香は確かに頬を染め、美しく微笑んでいたけれども。
 その眼だけは、笑っていなかった事に。






アキラ「――――え?」
高音「――――え?」

愛衣「――――え? 私もするんですか?」
刀子「私は遠慮しておきますね。年齢的に」
 
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