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一次・二次創作を扱っています。現在ネギま!×Fate「夢破れし英雄」連載中。

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夢破れし英雄  第18話


「悪魔の契約書」



 4月7日。春休みの最終日、衛宮士郎は学園内でも特に女子中等部のエリアを見回っていた。
 これまでの事件で、彼女が吸血行為をしているのは満月の夜、対象は女子中等部に在籍している子だと分かっていた為だ。
 そして、士郎の読み通り、彼女がそろそろ仕掛けてくるのなら、今回は必ず3-Aの生徒を狙う。
 故に、鷹の眼によって女子寮からあのクラスの人間が出てくるのを監視し、特に桜通りに向かう生徒がいないかと探していた。
 そして、案の定、というべきか。
 出席番号16番、佐々木まき絵が女子寮から外へ、そして桜通りの方角へ歩きだした。
 しばし、傍観する。
 実の所、エヴァンジェリンが現在どこに潜んでいるのか、それはこの鷹の眼で既に見つけ出していた。
 しかし、学園長と不干渉を約束してしまった以上、少なくとも吸血行為に関しては見逃す必要がある。
 それが詭弁だとハッキリ分かるものであったとしても、言い訳の一つぐらい用意しておかねば、いい逃れる事もできない。
 故に、黒衣の吸血鬼がさも美味そうに血を啜る姿を、拳を握りしめ耐える。
 だが、準備だけはしておかなければならない。狙い定めるは黒衣の吸血鬼、エヴァンジェリン。
 彼女とこちらの距離、およそ400メートル。こちらが上方に位置している事も考えれば、隠行で察知されず、足で追いつけるギリギリの距離だ。
 彼女が佐々木の首筋から口を離すと同時に、弓を引く。
 番えるのは名も無き魔剣だ。この世界において、多少でも概念を保有するものならば、それだけで魔法使いにとっての必殺足り得る。
 例外を挙げるとするならば、アルやラカンと言った、世界でもトップクラスの『人外』のみ。
 弱体化し、封印状態のエヴァンジェリンに宝具など必要ない。否、宝具など使用してしまったら跡形も残らないだろう。
 彼女が察知し、『避ける』というイメージのまま、士郎は魔弾を放った。
 士郎の魔弾は、それが宝具でないとしても、軽く音速を突破する。ここからの距離ならば、丁度一秒を切る程度で着弾するだろう。
 その一秒の間に、士郎は接敵した。埋めた距離は約50メートル程度。だが、このまま速度を上げていけば、エヴァンジェリンに逃げられるという事だけはあるまい。
 転移魔法符を所有しているとするのなら話は別だが、たかだか数キロの移動ならば、まだ追える自信はある。
 300メートル先のエヴァンジェリンの唇を読む。
『一体何事だ!』
 突発的なアクシデントに慌てつつも、彼女は現場の離脱を優先した。
 血を媒体に作られたコウモリのマントで飛び上がる。
 だが、この高度ならばまだ、跳び上がる俺とさして変わらない。故に、追いつくのは自明の理だった。
 十全な速度が出せない飛行魔法では勝機が薄いと見たか、話し合いで言いくるめるつもりか、エヴァンジェリンは途中の広場で止まった。
「これは、私の見通しが甘かった、という事か?」
「いいや、そういうわけでもないだろう。私は、極力今回の襲撃を誰にも感知されないように振舞ってきたつもりだ」
「それは、タカミチにも、という事だな」
「無論。この襲撃は私の独断で、今後学園側に報告するつもりもない」
 エヴァンジェリンは訝しんだ表情のまま、追及の手を緩めない。
「どういうつもりだ」
「警告。それに契約かな」
「何?」
「その話は、茶々丸が物騒な物をしまったらしてやる」
 士郎は自分の後方、スナイパーライフルを構える茶々丸に告げる。
「お気づきでしたか」
「茶々丸の気配は分かり辛いが、見えないというわけではないからな」
「死角に潜んでいたハズですが…」
「だが、駆動音は誤魔化せまい?」
「そんな。この距離で私の駆動音を認識するなど、人間の領域ではありません」
「ならば話は単純だ。私が、人間を超えているというだけだろう」
 士郎は、さも当然のように疑われていた正体を事実だと認めた。
 そも、英雄などという存在は人間の枠組みから逸脱している。『人間』という常識では測れない存在という意味では、世界の隔たりでさえ関係ないものだ。
「茶々丸、もういい。こっちに来い」
「ハイ、マスター」
 茶々丸は銃器を下ろし、エヴァの隣に飛んだ。
 だが、パートナーの存在など、エヴァにとって気休めにもならない。
 現状、学園最強と謳われている衛宮士郎相手に、この場を逃れうるとしたのならば、それは交渉・話術によるものでしか有り得ない。
 だが、衛宮士郎という男は、その面においても油断のならない相手だった。
 万一の為に配備しておいた茶々丸にまで気づかれてしまった以上、エヴァが切れるカードは少ない。
 そもそも、エヴァンジェリンは衛宮士郎という人間について、まだ理解できていなかった。
 度を超えたお人好し、にも拘わらずあまりに冷酷な戦闘技術を保有する男。
 そんな相手に、一体どんな交渉があり得るだろうか?
「話を聞こう」
「まあ、簡単な事だ。お互い譲れないものがあるのなら、妥協点を割り出せばいい。その上で、互いの条件を“絶対遵守”する」
「それは…悪魔の契約書を作る、という事か?」
 悪魔の契約書。
 大本はソレだが、実際の所はその効力・条件により名称は多岐に渡る。
 だが、一つだけ共通しているのは、そこに書かれている事を一度でも認めてしまったら、それ以外の選択肢を選べなくなるという点だ。
 単純に行動を制限し、己の可能な範囲内での“絶対遵守”や、破れば厳罰、主に死を齎す純正もある。
 士郎が言っているのは、選択制限の契約書だ。
 士郎の世界で言うのならば、自己強制証文セルフギアス・スクロール
 どちらにせよ、それは最早呪いと言っていい。故に、本来そんなものは『何があろうとも』印を押してはならない。
 その手の契約には、大抵落とし穴が存在し、どんな手で相手を欺いているか分からないからだ。
 それは、600年という時を生きてきたエヴァンジェリンには身にしみている。
 おそらくそれを理解した上でそんな事を言い出す士郎に、エヴァンジェリンは首を傾げる。
 今までの士郎のやり方とは、印象が違うように感じたからだ。
「そういう事だな。内容は一つ。エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルがネギ・スプリングフィールドを殺さない限り、衛宮士郎は両名の戦闘に介入しない」
「なに…?」
 それは、エヴァにとって都合が良すぎる約定だ。
 ネギ強襲の最大の障害、衛宮士郎の方から不干渉を申し出る。それはあまりにもおかしい。
 確かに、殺さなければいい、という事柄は、非情であるものの納得できる。
 だが、士郎はそんな回りくどい事をしなくても、今この場で強制的に、エヴァンジェリンの戦闘能力を奪い去る事が出来るはずだ。
 封印されているエヴァンジェリンは吸血行為により魔力を補充しなければ、短時間の戦闘でさえ保たない。
 故に、士郎はただ単純に戦闘を行うだけでいいのだ。
 定期的に魔力を消費させれば、消極的ではあるが解決を見る問題。
 それを、何故こんなにもややこしくする?
 考えられるとすれば、それは。
「爺の差し金か」
「まあ、否定はしない。君に対するものではなく、私に対する制限があってな。ネギの試練の邪魔はできないんだよ」
「それでも心配なお前は、こうして契約を持ちかけている、か」
 ふと、エヴァは数か月前のタカミチとの会話を思い出していた。
 衛宮士郎は、『正義』でありながらエヴァよりも非情で、エヴァの認識できる範囲外の存在だと。
 確かにこれでは、その言葉に頷くしかない。
 士郎は、結果としてのネギの死を認めている。その場合、エヴァンジェリンにも同様の報復を加える、とも。
 しかもそれは、おそらくエヴァの封印が解けた後の事だ。
 最強状態のエヴァンジェリンを相手にして、等しく死を与えるというのだ。
 そんな全力戦闘になれば、いくら不老不死であろうとも、存在の消滅は免れないだろうに。
 良くて相討ち。悪ければ滅ぶだけ。
 そんな分の悪い賭けに、平気で乗ろうとしている。
 あるいは、封印が解けたエヴァンジェリンの実力を過小評価しているのか。
 どちらにせよ、エヴァに理解できる事ではなかった。
「だが何故だ?何故、お前がそこまでする必要がある?あのぼうやなんぞ放っておけばいい事だろうが」
「一度捻れ曲がった生き方は、そう変える事はできない。お前なら分かるだろう、エヴァンジェリン。一度歩き出してしまった道から、逃れる術なんてないし、逃れていいものでもないんだ」
 胸を穿つ。
 それは、エヴァにも共感できる感情だ。
 ハジマリがどうであれ、一度歩き出してしまったのならば、もう止められない。
 気がつけば、そんな所まで来てしまっていた。
 衛宮士郎という人間も、人間のままそこまで来てしまったというのなら、タカミチがエヴァと似ていると評したのも理解できる話だ。
 人間であるか否かなど、この場合そう大した問題ではないのだから。
「いいだろう。ならば受けよう、その契約。私は、ネギ・スプリングフィールドを殺しはしない」
「ならばその限りにおいて、私は二人の戦闘にいかなる介入もしない」
 士郎が、羊皮紙を投げてよこした。
 そこには、先ほど述べた契約内容が記されている。エヴァンジェリンは、軽く指の表面に傷をつけ、血の捺印を押した。
「ここに契約は完了した。いいな?」
「勿論だ。君の判断に感謝する」
 だが、エヴァは知らない。
 衛宮士郎には、いかなる契約も破棄できる最悪の一手が存在する事を。








「なに?血を提供するだと?」
「ああ。献血程度でいいのなら。この前の制服代だ」
「この前…ああ、貴様の店のアルバイトに着せるとか言っていたアレか」
 全く義理がたいものだ、とエヴァは思う。
 立場的にエヴァを支援できるはずもないのに、こうして半ば協力に近い事を申し出る。
 これは生き方云々関係なく、性分なのだろうとエヴァンジェリンは断定した。
「しかしいいのか?爺が煩いだろう」
「いいだろう、これぐらい。というか、あの妖怪爺が本気なら、とうに俺は学園から追い出されている」
「だからと言って、いやだからこそ、お前の立場ならば自重するべきではないのか?」
「何だ、いらないのか?」
 そこで心底不思議そうな顔をされると、何とも気が抜けるエヴァンジェリンだ。
 既に戦闘を回避し、安堵が全身に沁み渡っているのでどうにも覇気がない。
「そういうわけではないがな…まあ、いい。くれるというのなら貰ってやるさ」
 実の所、今日はもう既に一人分血を吸っているので、お腹一杯というか、欲しいという感情、欲求はない。
 しかしまあ、魔力の貯蔵という意味ならばあと一人分ぐらいならば許容範囲内だ。
 ならば、士郎の気が変わらない内に貯蔵しておいた方がいいだろう。
「では、遠慮なく」
「ちょっと待て。首筋から吸うのか?」
「それがセオリーというものだろう」
「いやいや、別に腕からでもいいだろう?」
「何をそんなに嫌がっている。おい茶々丸、押さえておけ」
「ハッ」
 本来なら茶々丸の力で士郎を拘束することなど出来はしないのだが、士郎も暴れるつもりはないのだろう、大人しくなった。
 そうして、エヴァは士郎の首筋に顔を埋めて、
「ん?血が、出ない?」
「そうだ。噛まれた傷程度なら、噛まれたそばから修復していくから、血なんて出てこない。末端ならまだ優先順位も低いから血を吸えると思うのだが」
「それを早く言え!」
「俺は腕から吸った方がいいと言ったはずだが」
「チッ、茶々丸、もういい。衛宮士郎、腕を出せ」
「やれやれ、貰う立場で何故そんなに偉そうなのやら」
「うるさい。別に、無理に施しを受ける必要はないんだ」
「ああ、一ついい忘れていたが。君がネギ以外を襲う時、俺は当然介入できるからな」
「ぐ、あ、それもそうか」
 エヴァは歯噛みしながらも、それでいいと契約してしまった以上反論はできない。
「だからこの血液提供は、別の人間を襲わない事への交換条件のようなものだ。まあ、無理やり誰かを襲おうとしても、私が妨害するわけだから結局魔力を消費して意味がなくなる。ならば、施しであっても私から吸血した方が効率がいいと思うがね」
「うぬぅ、仕方無い、か。まあ、魔法使いの血の方が魔力は濃い。悪くはない提案か」
 勿論、強大な力を持つ者程、血液に含まれる魔力も濃い。
 衛宮士郎は、変則的でも世界最強クラスの能力保有者だ。問題はない。
 後は味、趣味趣向の問題で、エヴァの主観からすれば男はマズく女は美味い。
 統計的に見て、容姿は多大な影響を及ぼす要因だ。その分だと…まあ、タカミチよりは美味いだろうと判断して、エヴァは士郎の腕に吸いついた。
 はむっ、なんて擬音が聞こえてきそうな噛みつき方で、いっそ可愛らしくもあるその表情が、
「ま、まずうっ」
 一瞬で苦悶に変わった。
 何かもう味覚の問題ではなく、これは本当に血液なのかと問いたいぐらいに不味い。
 ジュースだと思っていたものが泥水であったかのようなショックを、エヴァンジェリンは受けた。
「き、貴様ッ!何てモノを飲ませる!」
「いや、分かってるだろう?」
「ああもうそういう意味じゃない!こんなクソ不味い血は初めてだ!貴様、一体どういう身体構造している!」
 ぜいぜいと息を荒くしながら、それでも興奮収まらぬようで、尚も士郎に掴みかかる。
 それを、茶々丸が止めた。
「マスター、魔力値が増大しています」
「なに?」
「これは、およそ10回分の吸血に値する数値です」
 あまりの不味さに思考停止していたエヴァンジェリンだったが、確かに魔力は増大……いや、回復していた。
「たったアレだけで、か」
「まあ、良薬は口に苦しというやつかな」
 士郎の例えは的外れだが、ニュアンスは合っている。
 士郎の血液は、今までエヴァンジェリンが飲んだどの血液よりも、比較するのも嫌になるぐらいに不味いが、確かに供給された魔力も比較にならないぐらいに大きい。
 通常、美味い血の方が得られる魔力も多いものだが、今回は全く逆のパターンだった。
「それで、どうする?まだ飲むかね?」
「あんなものこれ以上飲めるか!茶々丸、帰るぞ!」
 コウモリのマントで飛び上がるエヴァンジェリンと、追随する茶々丸。
 その姿が見えなくなるまで、士郎はその姿を見送る。
 予定していた目的を全て達成した男は、重い足取りで自分の店に帰った。















 エヴァンジェリンとの『契約』の翌日の夜。
 士郎は、眼前(と言っても一キロほど先だが)で戦うネギとエヴァンジェリンを眺めている。
 それはエヴァンジェリンが約束を守るかの確認の意味もあるし、別の第三者の介入を阻止する為でもある。
 そして、案の定、というべきか。第三者を発見した士郎は、せめて話し合いで決着がつく事を祈りながら走った。

「悪いが、ここから先は通行止めだ」
「衛宮、さん」
 高音と愛衣。既に戦闘態勢に入っている二人に、士郎は剣を向けた。
「衛宮さん、この先に噂の吸血鬼がいるんです!退いて下さい!」
「悪いが、それはできない相談だ。学園長からは何も聞いていないのか?」
「学園長から…?」
 高音にしても、愛衣にしても、まだ見習いの立派な魔法使い候補生たちにまで、シークレットの情報は得られるものではない。
 そもそも、今回の一件はエヴァンジェリンに好意的な人間にしか伝えられていない事だ。
 無事ネギがエヴァンジェリンを討ち破れば事後の一件として伝えられるだろうが、それも末端にまで行きとどくものではない。
 故に、士郎が学園長から依頼を受けるようなハメになる。
 この夜、エヴァンジェリンとネギの戦いに介入しようとする者には、学園長の名でもってお帰り頂く。
 既に恨まれているからと言って、恨まれ役を押しつけるな、と士郎は声を大にして言いたかったが、頼まれずとも行う予定だったので何も言えなかった。
「今回の吸血鬼事件。私が預かることになっている。君たちはもう帰れ」
「しかし、子供先生が既に戦っています!それなのに私たちが逃げるわけには…」
「帰れ、と言っている。頷けないのならば、排除するまでだ」
 夜、いや、戦闘者としての衛宮士郎と、喫茶店のマスターである衛宮士郎は、もはや別の存在だ。
 最初の一夜以降、高音にとっては二度目のその姿に、彼女は正直に恐怖する。
 愛衣は既に動けない。士郎にとって、未だ殺気の域にないモノでも、彼女たちの体を強張らせるには十分過ぎる。
 殺し合いを、命の奪い合いを知らない彼女たちでは、決して越えられない壁があった。
 だが。
 壁が見える度に、それを乗り越えてきたのが、高音・D・グッドマンという少女だ。
「私も、半年前より強くなりました…」
 俯きながら、ぽつりぽつりと語る。
「だから!もう一度、貴方に挑戦した、」
 黒衣の夜想曲。高音にとって、現時点で最強を自負する戦闘形態だ。
 その発現の前に、士郎は高音の意識を刈り取った。
 以前と同じ、高速での接敵、そして峰打ち。
 挑戦の決意さえ最後まで語らせてもらうことなく、高音は認識する事もできずにその意識を落とした。
「あ…」
 泣きそうな顔で、愛衣が高音の体を支える。
 結局、これが現実で挫折だ。高音も愛衣も、越えられるはずはない壁に挑み、当然のように敗れた。
 ただ、それだけの事。何も不思議な事はない、当たり前の帰結だった。
「佐倉、高音を連れて帰れるな?」
「…はい」
 返事だけを聞いて、士郎は跳び上がる。
 高音との会話を続けながらも、士郎はネギとエヴァンジェリンの戦況を確認していた。
 そしてその視界の端で、明日菜が走っていく姿も見えていた。
 もう既に、明日菜を止めようとすれば自然二人の戦闘に介入してしまう状態だ。
 どうせネギが負けてしまった場合学園長がどうにかする手筈になっているから、あの場で明日菜を止めてしまえた方が都合は良かった。
 が、士郎は神楽坂明日菜の能力に興味がある。
 タカミチがあれ程までに気にかけて、学園長がわざわざ孫娘と一緒に住まわせ、しかも学費まで出しているような娘だ。
 何もないわけがない。
 明日菜の介入によって、明日菜の特性の一端でも確認できれば儲けものだと考えたのだが。
 明日菜は持ち前のパワフルさで飛び蹴りを繰り出し、エヴァを吹っ飛ばしただけだった。
 その事象の特異性には何ら気づく事なく、士郎は仕事を終えて帰宅した。





ライダー「結構美味しいと思うのですが(チュルチュル)」
 
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