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屈折領域・裏鏡


一次・二次創作を扱っています。現在ネギま!×Fate「夢破れし英雄」連載中。

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英雄は彼方へ消える S4


「邂逅」  竜の前に仁王立ちしているのは刹那一人。
 今回、ネギを迎え撃つに当たって、竜は刹那の指示に従ってくれる事になっている。
 本来なら、この立ち位置は有り得ないものだ。
 竜種の強大さ、強力さを存分に活かすのなら刹那は「撃ち漏らし」を処理する役目を担うべきである。
 だがしかし、刹那はそれを選択しなかった。

 刹那自身、自分が愚かな選択をしている事には気づいているのだ。
 そう。これは、愚かで馬鹿げた選択だった。
 桜咲刹那とはついぞ縁のなかった示威行為。
 何の意味もない。何の価値もない。ただの自己満足。

 敢えてその意、その値を探すのならば、それは自信だろう。
 白天の。士郎から託されたこの刀を使っての、初めての実戦の機会。
 その一番手がネギならば、相手として申し分ない。
 しかし、まだネギ相手ならば、白天がなくとも黒星を付けられる事はないだろう。
 実力としてはまだまだ大きな開きがある。ネギと明日菜、コンビであったとしてもだ。
 そんな状況で、竜なんて特大の戦力を投入する気にはなれなかった。
 刹那が竜に頼んだのは一つだけ。門を超えようとするものには攻撃を。
 故に、刹那は竜の前に陣取るしか選択肢はなかった。

「来ましたね」

 隠そうともしない気配が突進してくる。
 速度は上々。確実に飛行している事が分かるレベルだ。
 おそらくは箒での高速飛行、その上での二人乗り。
 明日菜を盾にされていたら厄介だな、と思いつつ、刹那も意識を集中する。
 呼吸を整え、白天を鞘に収めた。

 見据えるは敵ではない。的ですらない。
 只振りぬくための軌跡。通るべき必然、最適化された一刀である。


 対して。ネギたちの作戦は単純だった。
 力押しなど決して及ばぬ相手。刹那にしろ竜にしろ、力ではとても勝てない。
 勝てる要素があるとしたら、それは明日菜の持つ魔法無効化能力。
 これは、気による技をも消失させる。
 しかしこれは刹那も分かっているはずだ。故に、攻撃が来るとしたら物理的なものに限られた。
 こうして狭められた選択肢こそが、ネギにとって唯一の勝機。
 そもそも、ネギの勝利条件は門の突破。刹那は阻止。であるならば、本来戦わずに通過できるのが最上だ。
 しかしそんな事が可能だとも思えない以上、狙うべきは一瞬の決着。

 倒す必要はない。攻撃する必要さえない。
 いかな刹那と言えど、向かい合い交錯した状況から仕損じたら、そのまま通過していくネギたちに追いつく事は不可能だ。
 だからこその勝機。明日菜という万能の盾と、ネギの最大加速。交錯の瞬間に放つ遅延呪文。
 これが、実力差を覆す一手。瞬きの間に終わる攻防の基礎作戦だった。

 だが、それは。

「一筋奔りて……」

 詠唱の如き旋律が刹那の口から溢れる。
 ネギとの距離はまだある。広域破壊クラスの一撃、雷光剣でなければ届かないような距離だ。
 刹那の気……否、魔力の高まりをネギは察知する。
 そして理解した。自分の目論見が外れた事を。
 この遠距離で衝撃波系の物理攻撃ならば余裕をもって避ける事が出来る。
 そんな事に刹那が気づかないはずもない。
 それでも撃つという事は、即ち明日菜の完全魔法無効化能力を前にしてさえ、最低限足止めにはなるという狙いがあるという事!

「アデアット!」

 そのネギの確信は、口にするまでもなく伝わった。即座に明日菜はハマノツルギを顕現させる。
 刹那の閉じられていた目が開いた瞬間、この遠い距離で目があった瞬間に、明日菜は危険を察知したのだ。
 そして、高まった魔力に対し、それが放出される感覚すらなく。

<迅雷>

 白天は、静かに、けれど神速で振りぬかれた。
 放たれるのは稲妻。雷の刃である。
 それは言うなれば、雷の速度で伸びる刀そのもの。
 どこまでも伸びた刀は、質量を感じさせずに軌跡を描き、無効化能力で打ち消した明日菜たち以外全てを切り裂いた。
 そう。頭上の岩盤までも、だ。

 (これが狙い……!)

 防がれるのは自明の利。衝撃波では届かない。広域攻撃でなければ意味がない。
 なら、広域で物理攻撃を行うにはどうしたらいいのか。
 その答えが、刹那の一撃。

「くぅ……っ」

 しかし、これは刹那もネギも、予想もしていなかった形で避けられる。
 思わずといった体で強く発動させてしまった明日菜の魔法無効化が、ネギの箒の浮力さえも奪っていったのだ。
 だが、だからと言って動き始めたものは急には止まらない。
 ネギは頭上から降ってくる岩石に焦りながら、推進力のみに全魔力を集中した。

「最大加速!」

 その速度は十分過ぎる。迫り来る岩盤ならば、余裕で回避出来るだろう。
 だが、このままでは刹那と交錯する辺りで地面に激突してしまう。
 下手をすれば岩盤に押しつぶされるよりもダメージは大きいだろう。
 しかも、刹那はここに至ってさえ油断しない。
 技後硬直が解けたのだろう。振りぬいた刀を返し、次の一撃を溜めている事が分かった。

 タイミングは完璧。これは避けられない。理解は多分、明日菜にも浸透していた。
 刹那の間。考える時間などないし、覚悟を決める時間も、勿論迷っている時間もない。
 だから、その選択は、きっと根源的なもの。
 考えるまでもなく、そうだと理解した瞬間に身体が動く類のものだった。

「なっ、」

 飛び降りる。いや、まるで耐え切れなくなったかのように、明日菜は空中に放り出された。
 明日菜という重し……魔力阻害から遠のいた事で、ネギの箒は爆発的に速度をあげる。
 それは、刹那の目測を狂わせるに余りある加速であり、そして十分過ぎる浮力をネギに与えた。
 だが、明日菜に飛ぶ力はない。
 助けたくても、ネギにはもう戻る力はない。
 刹那をも抜きさって、あっと言う間に竜の足元まで到達してしまう。

「アスナさんっ」

 空中の明日菜と、一瞬だけ目があった。いや、きっとそれは錯覚だろう。
 ネギは振り返る事もできなかったのだから。
 ああ、ならばきっと声が聞こえたのだろう。
 竜を避け、門を通過する為に必死で舵を取るネギの背に、一言。

『信じてるから』

 ……だから、きっと。ネギも、素直に明日菜の無事を、信じることができた。






◇ ◆ ◇ ◆







「何を、考えているのですか貴女はっ!」

 叱責する声は、意外な事に刹那のもの。
 空中に身を投げた明日菜を、地面すれすれで抱きとめたのは刹那だった。
 
「だって……いや、え?」

 状況が理解できない明日菜は、疑問符で頭が埋め尽くされる。
 ふわりと刹那が着地し、優しく明日菜を下ろした。

「何で? 刹那さんは……」
「ネギ先生が一人で行ってくれましたからもう白状しますが、芝居です」
「は?」
「今回の首謀者が、祭り好きというか演出好きというか……私達は情報を渡してもらう代わりに、この舞台装置の運営に駆り出されたんです。
 あの人に任せるよりは自分でやった方が安全だとも思いましたし」
「いや、でも、え?」

 信じられないというより、信じたくないという感じの明日菜はプルプルと震えて、そして。

「ふざけんなああああああ!」

 怒りの限り叫び、強烈なビンタをお見舞いした。
 快音が響く。古今東西、こういう時にはいかな実力差があろうとも避けられないのは、被害者に悪いという自覚があるからなのだろうか。
 そんな事を考えながら、刹那は甘んじてその責めを受け入れた。
 実際、明日菜には酷いことをした自覚がある。

「ホントに……本当に、心配したんだからねっ」
「すみません」

 素直に謝る刹那に、明日菜は仕方ないとばかりに溜息をついた。

「もう。金輪際こんなのはナシにしてよ。でなきゃ、ちゃんと相談して欲しい」
「分かりました」

 とは言いつつ、明日菜に話さない事を決めたのは木乃香だったりする。
 曰く、明日菜はネギに近すぎる、と。
 それには刹那も同意したのだから、結局は同罪なのだが。

「さて。興は削がれましたが、仕切り直しますか?」
「え? なんで?」
「別に、このまま明日菜さんが門を通らないつもりなら構いません。門を超えようとしない限りは私も邪魔しませんし、竜も害はない。
 けれど、門の先は別です。先に進んだネギ先生に、危険がないとは言えない」

 弛緩した空気の中で、明日菜は勝手に仲直りしたように考えていたが、それは間違い。
 いや、刹那はそもそも仲違いしたかったわけではないのだから、当然と言えば当然か。
 まだ戦いは終わっていないのだ。

「……ネギなら危険に晒されてもいいってこと?」

 じわり、と。本気の怒りを滲ませて、明日菜は問う。

「命までは取られないでしょう。それに、この程度で挫けるのなら、戦う力なんて持たない方が幸せです」

 その真剣さを感じ取ったから、ではないが。刹那も本心を偽りなく答えた。
 つまりは。戦えなくなる程度には、痛めつけられるということ。
 先程明日菜を助けたのは死にそうだったからで、歯向かうつもりならば容赦はしないと。

「刹那さんは、本当にそれでいいと思ってるわけ?」
「アスナさん。ネギ先生が父君を追う限り、危険は向こうからやってきます。
 諦めろとは言いませんし、ネギ先生には試練に打ち勝って欲しいと私も願っています。
 ですが、その先に皆を悲しませるような結末しかないというのなら……私は妥協した方がいいと思っているんです」

 その考えを、明日菜は否定できない。同意してしまう部分もある。
 けれど。

「でもさ。相方のピンチに駆けつけられないようじゃ、パートナーって言えないじゃない?」

 二人で強くなっていけばいい、と。
 明日菜は力強くハマノツルギを構えた。

「いいでしょう。痛まない程度に遊んで……」

 あげます、と言い切る前に。
 刹那は大きく飛び退く。
 刹那が立っていた場所には、弾痕が残っていた。
 
「真名か」
「そうだよ刹那。カモに頼まれてな。仕事だ」

 姿を現した真名は完全に戦闘モードだった。
 明日菜の目には際どいとしか映らないあの衣装に、どれだけの防衛術がかけられているのか、共に仕事をした事のある刹那は知っている。

「成程。ネギ先生も抜け目がない」
「この場合はカモの功績だろうさ。後ろのこいつらも含めてな」
「みんな!」

 その後ろには、魔法の事を知るクラスメイトの、ほぼ全てが集まっていた。
 真名の言から察するに、カモが連絡しかき集めたのだろう。先走るネギを止めるため、そして協力するために。

「酷いですよ、アスナさん。こんな一大事に、みんなを置いていくとは」
「みんな……でも、ここマジ危険なのよ?」
「それは最初に竜と遭遇した私達だって良く分かっています。でも、ピンチに駆けつけないのは仲間じゃありませんから」

 言い切る夕映を、眩しそうに見つめる刹那。
 感動的なシーンを、名残惜しそうに見つめながら、紫電を発して威嚇する。
 戦いは、まだ終わっていない。

「敵対するというのなら構いません。ですが、この人数となると私一人で相手するのは至難ですね」

 刹那にとって、真名以外ならどうとでもなる相手だ。
 全員となると流石に難しいが、それでも威嚇で抑える事は出来るはず。
 だが、真名一人で戦況はひっくり返るだろう。
 真名は刹那にとって、余分を抱いたまま戦える相手ではない。
 この白天があれば負けない自信こそあるが、そこまで。
 そして、一人では足りないというのなら……。

「なので、当然の事ながら……彼にも活躍してもらいます」

 グルゥゥゥ。
 地鳴りのような音は、ただの呼吸。
 いままでひっそりと彫像にも見えた竜は、ここに来て待ってましたとばかりに雄叫びを上げる。
 
「私はともかく、彼は手加減なんて出来ません。挑むなら、命を覚悟してから来なさい」

 そう言い残し、翼を顕現させ刹那は竜の背に退避する。
 なに。一人では足りないというのなら、本来の戦術に戻せばいいだけのこと。
 必要な忠告は行った。ここより先に踏み入るのは、彼女らが己の命に責任を持たなければならない。

 それを、本当の意味で理解出来ているとは、刹那には到底思えない。
 だから結局のところ、刹那の役目は、竜と戦うクラスメイトたちが最悪の事態へと陥る前に救出することになる。
 そう心に決め、竜の攻撃範囲からすぐに助け出せるよう位置取りを考える。



 が、それが、まさか。
 あのような結果になるとは、刹那には想像も出来なかった。





◇ ◆ ◇ ◆






 門を超えた先は、広場と言って差し支えない広さだった。
 この図書館島地下で広さを論じる事ほど無意味な事もないが、それでもなかなかに広い。
 先程突破した竜が暴れられる程の広さ。
 その中心に、一人の男が立っている。
 白いローブで顔まで隠した、背の高い男。
 その目の前に油断なく降り立って、ネギは男を睨みつける。

「木乃香さんは、どこだ」
「君の第一声が近衛木乃香の無事を問うもので、私は安心していますよ。ちゃんと先生をしているようですね」

 飄々とした声に、ネギは苛立つ。
 それを自覚して、努めて冷静になろうとした。
 ここで冷静さを欠いては、何も救えず、何も達成できない。
 目の前の相手は敵なのだと己を鼓舞した。

「答えろ」
「無事ですよ。今は、エヴァンジェリンに魔力を貸して、この空間の結界維持に努めています」
「マスターと……?」
「ええ。これはゲームだと言ったでしょう? 私はただ、今の君の実力と覚悟が知りたかっただけ。
 夜明けまで、とは言いましたが、そこまで待つつもりはありませんでした。
 これがゲームではなく本当の誘拐なら、そうですね……本当のタイムリミットは残り30分というところでしょう。
 それだけあれば、事足りる。彼女が置かれている現状は、コノエモンが不在であるだけでこれだけのことが可能になってしまう危ういもの。
 しかしネギ君。君は合格です。私の予想以上のタイムでここに到達した」

 到達した、その一事をもって合格であると。
 このタイムは、迷っていては出せるものじゃない。
 駈けつけながら作戦を練る事。障害を突破する能力。仲間への信頼。己への確信。
 その総合点として、ネギは十分に速かった。

「今回のゲームは、貴方の力と資質を確認するためのものです。
 君に、本当に父親を追うだけの力があるのか。……本来なら、麻帆良武闘会で確認するはずだったのですが」

 舞台としてはあちらの方が上等だったのですが、と名残惜しそうに。
 ネギとしても、あの試合は全力を出し切った上での結果だ。
 分かってはいるが、やはり悔しさは残っている。

「ネギ君。君が、本当の意味でナギと再会したいのなら、ナギよりも強くならなければならない。
 その超えるべきナギの強さを、貴方は一度体感しておく必要がある」
「なにを……言っているんですか?」

 思わず普段通りの口調に戻ったネギを無私するかのように、フードの男は笑った。

「ただ呼び出しただけでは詰まらないですから。それに、まぁ」

 ふと。空気が変わった。
 ネギ自身、この道化を前にしてどう感情を整理すればいいのか悩ましい部分はあったが、それでもこのゲームについてはもう終わったつもりでいたのだ。
 合格というのなら、そこで区切りがつくはずだ。そして、報酬があって然るべき。そう、父親の情報を。
 その時、唐突に電話での刹那の言がネギの脳内をリフレインする。

”……でも、会えます。夜明けまでに、私を越えて最奥に辿り着いた時……貴方は、父君と会えるでしょう”

 会える。そんな事、信じていなかった。
 だって、本人がこんな所に居るのなら、何故今まで会いに来てくれなかったのか。

 だって、だって、だって。

 ネギの心は千々に乱れる。
 必死に冷静になろうとはする。なろうとするが、そのフードの奥から見える前髪は。
 その、微かに見える掌は。
 あの時、あの冬の夜に出会った彼と余りに似通っていて。

『再会は、劇的である方が感動するだろ?』

 その声に、今度こそネギは、冷静な思考を放棄した。
 







タカミチ「……士郎。これから、約束を破ることになりそうだよ」

(拍手)
 
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読まさせていただきました!!刹那の今後が気になりますね。あと今デスメガネは何をしているのでしょうか(´∇`)

2012.05.25 | URL | NoName #.xeeFnek [ 編集 ]

Re: タイトルなし

予定では、デスメガネは次話の最後で刹那たちの前に姿を現します。
まだそこまで書けていませんが。
今まで何をしていたか、語る機会があるかは不明。ちらっとアキラ編で出てきてはいますがね。

2012.05.27 | URL | 夢前黒人 #- [ 編集 ]

気になる~!

2012.07.04 | URL | NoName #- [ 編集 ]


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