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一次・二次創作を扱っています。現在ネギま!×Fate「夢破れし英雄」連載中。

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夢破れし英雄  第14話


「京都神鳴流(前)」



「確かに、手合わせを考えると言っていたでござろう?」
「だから仕事があると言っているだろう。またそのうち暇があったら付き合ってやるから」
 士郎は、楓から積極攻勢を受けていた。
 というのも、以前した『手合わせしてやる』という約束の事である。
 明石との会合の後、いろいろと考える事が多かった士郎は、自分の考えを実現する為にいくつかのプランを立てた。
 そして、それを実行に移すべく、教師になってから最初の休みに、喫茶店を休業して出かける事になっていた。
 ちなみに、土曜日は店を開けて、夜に夜間バスでの出発の予定である。
 が、そんな休みをとったというのをどこから聞きつけたのか、楓が自分との約束を持ち出したのだ。
 とはいえ、その約束も『暇ができたら』という条件付きだったはず。
 にも関わらず楓は店まで強行していた。士郎にとってしてみれば、何とも迷惑な話だ。
「大体何でそんなに私なんかと手合わせしたがる。龍宮なり桜咲なりとでも訓練していればいいだろう!」
「刹那は忍の拙者と手合わせする価値が薄い上に木乃香殿の警護がある。龍宮はそもそも報酬がなければ戦おうとはしない性質でござる」
「私だって戦闘を好んでいるわけではない!」
「一度だけでいいんでござるよ?そう時間も取らせぬ故」
「ぶっちゃけ迷惑だ!」
 士郎が叫んでしまったのも無理はあるまい。元々今日の外出予定がなければ、明日店を開けているはずなのである。
 最近では士郎の唯一の趣味になりつつある喫茶店は、お客の影響もあって極力休みたくはない。
 だが、士郎は長期的展望をもって泣く泣く今回は休む決意をしたのである。
 それが生徒とはいえ第三者に邪魔されれば怒るのも当然と言えた。
「ダメ、でござるか…?」
 そんな声は反則だ、と士郎は思った。
 元来、いやさ生来、女の涙とか笑顔とかそもそも女には弱い士郎である。
 これはもう百回生まれ変わっても変わるまい。楓のように常人より桁外れに強く、しかも護る為でもないのに妥協してしまう辺りどうしようもないのだ。
「5分だけだぞ」
 喜々とする楓に、してやったり、という表情がなかったのが唯一の救いだった。







 喫茶「アルトリア」裏手は雑木林になっており、10mくらい進むとちょっとした広場になっている。
 とは言え、それほど広い場所ではないから、士郎が日課としている自分自身の早朝訓練に使うぐらいで、手合せに適した場所かと言うとそうでもない。
 だが、そんなに時間がない士郎としては、ここ以外に選択肢はなかった。
 周りが森、障害物の多い地形というのは、士郎にとってはやり辛いものだ。
 投影射出は使えず、長物を振り回すこともできない。
 対して、忍者の楓にとっては自分の領域テリトリーだ。
 5分だけ、という条件で戦うのであれば、尚更楓が有利なのは言うまでもない。
「いつでもいいぞ」
 早いところ終わらせたかった士郎は気のない声で開始を告げた。
 瞬間、先手必勝とばかりに4体の分身と共に楓の姿がぶれた。
 瞬動。
 それも、縮地と呼ばれるほどに熟練されたそれは、しかし士郎には通じなかった。
 士郎の持つ鷹の目。恐らく人類の中でもトップクラスの動体視力を持つ士郎に、単純なスピードは通じない。
 加えて、刹那やタカミチの瞬動を心眼にて既に解析が終了している士郎にとって、瞬動とはただの的に過ぎなかった。
 現状、士郎が知る中で瞬動中に方向転換ができるのはタカミチだけである。
 これをされると流石に士郎でも厄介なのだが、ただ速いだけではいくら『入り』と『抜き』が完璧でも士郎にとっては変わらない。
 結果、4体の分身は投影された干将の一薙ぎによって葬り去られることになる。
「恐ろしい、で、ござるな」
 楓は冷や汗を流しながらその光景を見ていた。
 士郎に突っ込んだのは全てが分身だ。士郎の攻撃方法、まずはそれを見ようと木の上から見ていたが、その圧倒的な反応速度に辟易する。
 高所から見ていた楓には良く分かったのだ。楓が縮地を行うよりも更に先に、士郎は既に迎撃の動作に入っていた事に。
 これではどんなに早くても勝てない。先を取る為の瞬動で、どうやっても先を取ることができないのだから。
 ならば、正攻法ではなく不意打ちを狙っていこうと楓は考える。
 分身によるクナイを使った多方向同時攻撃。内、一本だけを死角からタイミングをずらして投げつける。
 いや、投げつけようとした。
「そこか」
 平坦な呟きと共に、振りかぶった楓よりも尚速く、士郎はゴム弾を弾き飛ばした。
 投擲の態勢に入っていた楓は避けられない。ダメージはないとしても木の上であるから、バランスを崩して落下する。
 その落下点に走る士郎を視認した楓は、虚空瞬動により再び木の上に舞い上がった。
「虚空瞬動か、やるな。状況判断も策も悪くない。これで中学生とは、世の天才たちが泣くな」
「お褒めに預かり恐悦至極。だが、一つも通用していないのに褒められても嫌味なだけでござる」
「そう言うな。桜咲といい長瀬といい、俺は本気で恐怖を感じている」
 事実、刹那も楓も士郎を打倒するだけのポテンシャルは秘めている。
 士郎はその攻撃力・判断力に反して防御力は並みの魔法使いとは比較にならない程低い。
 蘇生と呼べる程の回復力があるから死んでいないだけで、本来ならこの世界において弱者でしかないのだ。
 それを強者たらしめているのは、何よりも心眼による状況把握・戦略考察力である。
 最強種や不死者、トップカテゴリーに属する者達を屠る事のできる宝具を士郎は基本的に使わないから、現状の学園における士郎の戦闘評価は、ほぼこの心眼によるものだと考えていい。
 たった30秒程度の戦闘で、楓は痛い程にそれを理解した。
「だが、今日はここまでだ」
 楓が気づく間もなく、空から4本の剣が落ちてきた。
 それは、檻を形成するかのごとく楓の周囲に突き刺さり、簡易結界となって楓の行動を封じる。
「ひ、卑怯でござらんか…?」
「分身やら不意打ちとそう変わらないと思うがな。ま、今度暇があった時にゆっくりと手合せはしてやる。今度は俺の裏をかけるように作戦を立てて来るんだな」
 言いたいことだけ言い残して、士郎は結界を解除することもなく立ち去った。
 楓が泣く泣く結界を破ったのはこの3時間後の事である。


















 歴史が色濃く残る町、京都。
 その雰囲気は、世界を隔てても変わる事がない、と士郎は感じていた。
 セイバーが好きそうな雰囲気を楽しみながら京の町並みを眺める。
 肩に担いでいるのはずっしりと重いゴルフグラブなんかを入れるケースだ。
 ただし、通常のそれよりも二回りほど大きく、中身は職務質問されたら困る代物である。
 スーツ姿でそんなものを担いでいるから周囲からは奇異の目で見られているが、士郎は気にせず目的地を目指していた。
 まずは関西呪術協会。その長、近衛詠春への面会。
 一応、士郎は既に刹那の協力によってアポイントメントを取っていた。
 近衛詠春が衛宮士郎に会う、という事の意味は、士郎とてよく理解している。
 近衛の名を持っている以上、確実に関東の事情にも精通しているはずだ。
 その上で、『関東一番の問題』を招き入れる意味。そこにどんな思惑があるか、士郎は幾通りかの憶測を立てていたが、どれも推測の域を出ないものだった。
 ただ、士郎が刹那から聞いていたの人物像を考えるに、少なくとも最悪な推測は回避できるだろう。
 仮にそうなったのなら、一つの協会を、単身攻め滅ぼさなければならなくなる。
 それが可能か否か、ではなく、その際の混乱を思うと、流石に躊躇してしまう。
 麻帆良にも帰れなくなってしまうし、何より士郎を信頼して協力してくれた刹那に申し訳が立たない。
 心情的にいろいろ刹那に対して負債を抱えている士郎だから、下手な真似はしたくないのだ。
 それに、過激な事をするだけの理由もない。夢を諦めたからと言って、悪に走るというわけでもないけれど。
 変に気負いながら、士郎は関西呪術協会の門を潜った。







「初めまして、衛宮士郎君。私が関西呪術協会の長、近衛詠春です」
「初めまして。今日はよろしくお願いします」
 関西の長、近衛木乃香の父にあたる男は、疲れた笑顔で俺を迎えた。
 温かみはあるが、サムライマスターと呼ばれていた男の猛々しさは微塵も感じない。
 平和に慣れ、戦場の空気を忘れるのは悪い事ではない。娘を想うのなら、その幸せに浸っているべきなんだ。
「いえ、私も、貴方には興味があったのですよ」
 ここまでは予想通り。
 そもそも興味が湧かない方が上に立つ者として間違っている。
 一人で一協会に匹敵する戦闘力をもった人間が、微妙な立場で国内にいるのだ。
 潜在脅威としての調査は必須だろうし、あわよくば取り込もうと考えてもおかしくはない。
 その事を理解した上で、俺は的外れな返答をする。
「私も、ですよ。桜咲や近衛…いや、お嬢さんから少しばかり伺っています」
「ふふ、今日は家庭訪問ですか?」
「それもいいかも知れません。ですが、一応今日は本業です」
 そう、本業だ。
 喫茶店とか教師とかはあくまで本業である鍛冶屋をカモフラージュする為のもの、だったはずなのだ。
 いつの間にか喫茶店の店主に馴染んでしまったけど、一応こちらが本業。
 教師なんてもっと向いてないのだし、今回のような別の要件がない限り生徒の家に行くなんて事もなかっただろう。
「刹那から話は聞いています。剣型のアーティファクトでしたか」
「カードの形で携帯できるわけではありませんが。桜咲の夕凪を参考に、大太刀から小太刀まで用意しました」
 夕凪は、大きめの野太刀で、慣れないと扱いづらい刀だが、その堅牢さと切れ味は折り紙つきだ。
 練習台として桜咲に注文された白結を作成したが、夕凪からそれほど構成を弄ることもなく、宝具としての格を持たせるだけでC-の能力があった。
 今回の仕事は、単純に金を稼ぐという意味合いだけでなく、俺自身の鍛練という意味合いも大きい。
 近衛詠春が、俺が広げた野太刀の内、最も夕凪に近いものを手に取った。
「これは……」
 鞘から引き抜き、その刀身に目を奪われる。
 優れた剣士は、剣において優れた目利きでなければならない。
 それは俺の信条だ。その道の達人が、己の扱う相棒の事さえ理解していないなどありえない。
 体の一部のように理解してこそ、担い手となるのだ。
「素晴らしい。これほどの魔力が宿った刀を、初めて見ました。これならば元神鳴流として太鼓判が押せます」
 呆けた顔つきで、刃から目を離すこともなく告げる。
 どうやら、最悪の予想は外れてくれたようだ。もちろん、最善というわけでもなさそうだが。
「では、参りましょうか」
「ん?どこへ?」
「試し斬り、ですよ」













 そう言って案内されたのは体育館ほどの広さもある道場だった。
 ご丁寧に道着まで用意されては、付き合う以外に道はない。
 昔ならともかく、髪も肌も変色してしまった今、純和風な道着なんて似合わない、と思う。
 だが、いざ袖を通してみると懐かしい雰囲気を味わえた。弓道部も一年程度の在籍だったし、そんな思い入れなんてないと思っていたのだが。
「では、始めますか」
 と言いつつ、近衛詠春が携えている剣は俺が作成したものではない。
 おそらくは夕凪の類型、銘は五月雨。十分に名刀だが、名刀止まりではある。
「私の実力が見たい…そういう事でよろしいか?」
「その通りです。貴方は刹那と葛葉の刀を折った…その力が、剣によるものか、貴方自身によるものか、私は確かめなければならない」
 広い道場に、近衛詠春と俺の二人のみ。護衛も引き連れずにとは、少々舐められているようだ。
 流石に、少しばかり腹が立つ。
「ほう。要するに、貴方は私よりも強い自信がある、と。そういうわけなんだな」
 自然と敬語は消えていた。この程度の挑発に乗ってくるような人物には見えないが、そうした方がブラフが確かなものになる。
「いえ、そのような事はありませんよ。ただ、今日は私以上に腕の立つ者もいませんし、ね」
 簡単に言えば、被害を自分だけに留めておきたいのだろう。
 確かに、近衛詠春は世界最高クラスの能力を持っている。彼に敵う人材が関西にいない、というのも事実だろう。
 おそらく、その上で彼はこう判断した。
 自分が勝てなければ、全員でかかったところで無意味。人柄は保障されているのだし、自分一人で当たるのが総合的にリスクが最少である、と。
 それはきっと、ある一面において真実だろう。
 だが、それでも組織のトップに立つ者ならば、決してしてはいけない選択だ。
 それは、部下の信頼に影響するのだから。その能力・人望はともかくとして、為政者としては麻帆良の怪奇爺の方が上か。
 ならば、その間違いに気づかせてやるべきなのだろうな。
「ならば、私がここで貴方を殺した場合、関西は落ちる、という事だな」
「関西を敵に回すおつもりですか?」
 割と驚いたような反応だった。
「そうだ、と言ったら?」
「お義父さんには悪いですが、ここで消えて頂きます」
 瞬動。だが、それだけではなかった。
 縮地と呼べるレベルの瞬動と、その抜刀術が一分の隙もなくリンクしている。
 あまりに自然な為、俺でさえ刀を抜いた瞬間の即応ができない。
 そもそも俺は素手で、あちらは既に刀を携えていた。投影というワンアクションを行わなければならない俺は圧倒的に不利。
 だから、投影で防ぐ余裕すらなかった。
「がっ」
 壁に叩きつけられる。
 斬られたわけじゃない。俺が咄嗟に行ったのは、後ろへの瞬動。
 加減も着地もできなかったが、一応首と胴体は繋がっている。
 薄皮一枚斬られたダメージよりも、自分から壁に突っ込んだダメージの方が大きい。
 幸運なのは、詠春が様子を見るように追撃してこないことだろう。
「今のを避けるとは…正直、甘く見ていました」
 寸止めするつもりだった、と詠春は語る。その言葉に、流石の俺もブラフではなく本気で戦いたくなった。
「そうか、ならば遠慮はいらないな」
 頭に血が上っている。自分でそれを知覚しながらも、止めようという気はおきなかった。
投影、開始トレース・オン
 投影するのは最も手慣れた夫婦剣。初めからオーバーエッジの状態で投影する。
 再び静かに突進してくる詠春の動きに合わせて、莫耶を振るった。
 詠春は器用に力を受け流して懐に入り込もうとするが、甘い。
 残った干将だけでなく、既に振りぬいた莫耶を放り投げ、引き寄せる。
 背後からの挟撃に、詠春はたまらず空に逃げた。
 そこにすかさず飛び上り追い打ちをかけるが、虚空瞬動でかわされる。
 強い。だが、勝てないほどではなかった。
 ただ、俺の使用する剣を認めさせる事こそが今回の来訪の目的であり、俺の生命線なのだ。
 と、なればこの戦いで投影を用いた戦闘技法を使う気にはなれなかった。
 俺の素の剣の腕は、こちらの世界の反則染みた剣士に対抗できるものではない。
 だが、俺の中の理性以外の部分が、久し振りに剣の腕を試したいと言っている。
 こちらの世界で覚えた技術、瞬動や心眼による戦闘経験。
 それで、俺の力がどこまで上がったのか、試したい。
 それは正しく無謀な行為だ。半ば実戦に近くなっているこの模擬戦で、そんな手抜きは命に繋がる。
 しかし、心のどこかが呟いているのだ。
 もう、いいだろう、と。効率もリスクも考える必要はない。
 既に夢は破れ、ここには守りたかった者がいるわけでもない。
 ならば、この心の赴くままに、その闘争に身を委ねてしまえ。
 冷静になれば、何を馬鹿なと一笑していただろう。
 だが、ここは道場だ。遠い昔、一人の少女と、ただ生き残る為に鍛練した、板張りの空間。
 詠春に対する蟠りは全て放り投げ、ただ挑戦者として、目の前の相手に向かう。
 それを是とした瞬間、自然と俺の口元は歪んでいた。














 衛宮士郎。
 突然麻帆良に現れた正体不明の魔法使い。おそらくは人外の血が入っており、その能力はSランクレベル。
 色々と義理の父からは聞いていたが、重要なのはその程度だ。
 信頼できる、と向こうが判断していても、刹那を通じて個人的に連絡を取ってきたことがまず疑わしい。
 刹那の信用は、この際考慮に入れる必要はない。優秀だと言ってもまだ14の少女。騙される事も、惑わされる事もあるだろう。
 だから、直接会って、自分が判断しようと思った。
 結果は…危険。
 彼が提示した刀は、常識からかけ離れた、刀ではなく兵器。
 どんなに人柄が良くても、彼の所有する武装の危険度は類を見ない。
 その刀のみで、一般人でも魔法使いを倒しうる程のものを、果たして認めていいのだろうか?
 確かに、この刀を導入すれば神鳴流の勢力は大幅に拡大する。
 関西は衛宮士郎一人の能力によって、関東を凌ぐ勢力へと拡大していくだろう。
 だが、現状関西と関東の力関係に影響を与える要素は極力排除しなければならない。
 その為に、納得して帰ってもらうには、衛宮士郎の刀を折ることだと考えた。
 つまり、神鳴流は衛宮士郎の刀などなくとも強いという事を証明してやればいい。
 道場について、彼が挑発的な言葉を口にしてくれるのもありがたかった。
 これで、自然な流れで打倒し得る、と。
 そして最初の踏み込み。その感想は正直、期待はずれだった。
 いや、あのタイミングから避けられた事は驚嘆に値するが、麻帆良を一人で制圧したという事実からもっと恐ろしいことをやってのけるのではないかと考えていたのだ。
 その認識が甘いと気付かされたのは、次の攻防。
 わざと隙を作り、罠に誘い込む手腕。なにより、こちらのスピードに完全に対応した上での追い打ち。
 この男は、堅実だ。
 強いのではなく堅い。それが、この男の本質。
 剣を打ち合わせて、私は直感的にそれを理解する。
 それだけならば、何ら問題はなかった。しかし、その次の瞬間、彼の笑みを、その眼に灯った暗い愉悦を感じた瞬間、私ともあろう者が言いようのない恐怖を感じたのだ。
 全身が怖気立つ。その不安を払拭するように、私は彼に斬りかかった。



 そして、サムライマスターと魔剣の紡ぎ手の激戦が始まる。





楓「結界崩しって、どうするんでござろうなぁ…(拘束二時間目)」
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